特長
そもそも熱電対とは、2種類の金属から成る、シンプルな構造の温度センサです。 工業計測において、測温抵抗体と同様、非常に多く使用されています。 電気抵抗の変化を利用している測温抵抗体センサとは異なり、温度による熱起電力を利用しているのが熱電対センサです。
熱電対には以下のような優れた点があります。
- 種類が多く、-200℃~+1700℃と広範囲の測定が可能。
- 原理がシンプルで、細径の製造が出来る。
- 耐久性が高いものが多く、比較的安価。
その反面、他のセンサよりも劣る点もあります。
- 測温抵抗体よりも精度が劣る。
- 非線形応答で、感度が低い。
熱電対は種類も多いので、上記の特性以外にも、種類による違いを考慮して、選定する必要があります。
熱電対の原理について
熱電対の2種類の異なる金属線の両端を繋げ、その2つの接点に温度差が生じたときに電流が流れるという現象を利用しています。 電流が流れる=電位差が生じている ということになり、その電位差を熱起電力と呼んでいます。 ちなみに、この現象をゼーベック効果(ドイツ科学者のゼーベックが発見した)といいます。
熱起電力は、金属の種類と温度差で決まっているので、電圧を測れば、温度差がわかるということになります。
計測器の測定原理について
上記原理を、両端のうち、一方を計測器とし、もう一方を測定対象として応用しています。 計測器内に、DAコンバータ(変換器)や補償温度センサを搭載し、そこでの温度を、測定点との温度差に加算する基準接点補償という方式になります。
ですので、補償温度センサ搭載されたロガーは、高温環境下へは設置できません。 ロガーも高温にさらされると、正しい温度差が得られず、真の値が得られないためです。