温湿度

センサケーブル

技術資料

温湿度センサケーブルの応答速度について

センサの種類

シスコムでは複数のセンサケーブルを取り扱っております。
それぞれのセンサ素子をケーブル状に加工し、ロガー等に接続できるように加工をしています。
センサケーブルにより仕様や特長が異なります。

おおまかな特長は下図の通りです。

センサ種類 参考画像 特長 サイズ
SHT35 標準 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 超小型センサ素子を幅4mmの専用基板に搭載した、
一般的にご使用いただいているセンサ。
15×4×2(mm)
SHT35 フレキ 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 SHT35センサを薄型のフレキシブル基板に搭載した、
センサ部1mm厚の薄型フレキシブルセンサケーブル。
狭小空間での測定に活躍します。
7×5×1(mm)
HYT939 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 焼結金属フィルタを搭載した結露に強いセンサケーブル。
過酷な環境や屋外での試験等にご使用いただいております。
15×12×7(mm)

温湿度センサケーブルの応答速度の違い

センサ素子の応答速度はセンサの種類、熱伝導性、環境温湿度、センサケーブルの形状、設置方法等により、大きく異なります。
メーカー側からの応答速度については下図の通りです。

センサ種類 参考画像 メーカー発表応答速度
SHT35 標準 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 8秒(25℃)
SHT35 フレキ 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 8秒(25℃)
HYT939 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 10秒未満(23℃)

これは素子のみ、特定の温度において、湿度値が変化した際の追従性です。
湿度値のみ変動のある場合もあれば、湿度と温度も同時に変化する場合もあるため、この数値は最速の数値としてとらえておく必要がございます。

温湿度センサケーブルの応答速度の検証

温度と湿度が変化する際に、どの程度の応答速度になるのか、恒温恒湿槽にて実験しました。

実験方法

恒温恒湿槽を2つの温湿度設定パターンで検証します。あらかじめ、校正のとれたリファレンス用測定器を槽内に設置し、安定した数値になった後、3種類のセンサケーブルを同時に設置し、数値が安定するまでの時間を計測します。
各種センサケーブルを接続するロガーの測定間隔は2秒で、リファレンスの数値から±1.8%以内を5サンプリング連続で出力した場合、安定したと判断します。
湿度値のみ確認します。

室内環境温湿度:28.2℃、50.7%

①設定温湿度:10℃、60%

②設定温湿度:80℃、30%

実験動画

実験結果

結果は下記の通りです。

<10℃、60%>

センサ種類 参考画像 安定するまでの時間 リファレンス数値±0.5%に
なるまでの時間
SHT35 標準 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 01:42 +2分ほど
SHT35 フレキ 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 01:24
HYT939 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 01:32

<80℃、30%>

センサ種類 参考画像 安定するまでの時間 リファレンス数値±0.5%に
なるまでの時間
SHT35 標準 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 02:48 +3分ほど
SHT35 フレキ 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 02:44
HYT939 航空エンジン 飛行機 タービン ブレードの振動測定例 VibroMap1000 04:40

フレキシブルセンサケーブルは薄いフレキ基板に搭載されているため、熱伝導性が高く、環境温湿度に馴染みやすい特長があります。
しかし、基板に素子がそのまま搭載されているため、環境による影響を受けやすいです。
逆にHYT939センサは金属フィルタで素子を覆っているため、環境温湿度に慣れるまで時間を要します。しかし耐環境性が高く、設置する環境の幅が広がります。

この結果はセンサのご選定の際にご活用いただければ幸いです。

温湿度センサケーブルカタログ

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