温湿度

技術情報

温湿度センサの測定原理

湿度の測定法

湿度の測定法を大きく分類すると、絶対湿度測定法と相対湿度測定法の2つに分けられます。
さらに、相対湿度測定法を、原理から以下の通り分類することが出来ます。

温度計測の基本 電気特性利用湿度計 抵抗変化型の説明

相対湿度測定の中でも、吸湿性物質として塩化リチウム、セラミックス、高分子を使用しているものが、広く工業用として用いられています。
もっと細かく分類していくと、水蒸気量の変化を電気抵抗の変化でとらえるものと、電気容量の変化でとらえるものに区別され、シスコムで扱っている温湿度センサ(SHT35/45、HYT939)は後者の静電容量式というものになります。

湿度センサの原理と特長

上記のように、温湿度センサといっても、多様な製品があり、どれを選べばよいか迷われる方も多いでしょう。
それぞれの原理やメリットデメリットを、よく理解した上で、測定用途や設置場所に適しているかなども加味し、選定することが重要です。
2種で分類したときの特長を、表にまとめましたので、ご覧下さい。

測定原理 メリット / デメリット
静電容量型 向かい合った一対の電極に高分子膜が挟まれた構造。
片方には、空気中の水分を透過する電極を使用。
高分子膜に水分が吸着すると、静電容量が増加。この時の変化を測定。
〇応答性が速い
〇低湿度域の測定が可能
〇リニアリティに優れている
▲ノイズ対策が必要
電気抵抗型 くし型の一対の電極が互いに接触しないように設置された構造。
電極間には高分子材料が挟まれているが、電極が接触していないため、水分が吸着しない状態では電気は流れにくく(抵抗値大)、逆に水分が吸着すると電気が流れる(抵抗値低)。
この抵抗値の変化を測定。

〇ノイズに強い
〇比較的安価
▲測定精度のばらつきが大きい
▲応答速度が遅い

温度計測の基本 電気特性利用湿度計 抵抗変化型の説明

参考文献:一般社団法人日本電気計測器工業会
引用元:SensirionAG

湿度センサの種類

シスコムの製品に使用しているセンサは、MEMS式の静電容量型です。
精度も高く、センサ部内にキャリブレーション済みデータも内蔵されているため校正不要で、経年劣化も年1%以内と低く、優れています。

Sensirion 社製デジタル温湿度センサ

MEMS型静電容量式の高精度デジタル湿度センサとバンドギャップデジタル温度センサ、アンプ回路や校正メモリが全て一体化された超小型(約1x2mmサイズ)高精度の汎用センサです。
応答速度も速く汎用的に仕様できるため、研究開発用途以外でも計測機器、自動車への搭載、携帯電話など量産用途にも多くの実績があります。

超小型 温湿度ロガー データロガー SHTDL-3C 大きさ 接続

IST 社製デジタル温湿度センサ

静電容量変化型センサでありながら、耐久性に優れ、過酷な環境下(高温・高湿)でも使用可能な温湿度センサです。フィルタつきセンサモジュールは、結露状態でも長時間の使用が出来るセンサです。
小型ヘッドでレスポンスも早く、工業計測用途に非常に適しています。
コンクリート養生、恒湿槽内試験評価などにも利用されています。

各種研究開発用途を中心に車両試験、恒温恒湿槽内評価試験、生体計測など幅広い分野で利用されています。

シスコムではこのセンサを利用した従来にないユニークな各種データロガー、無線センサシステムを提供しています。

超小型 温湿度ロガー データロガー SHTDL-3C IST HYT939 温湿度センサ